a voracious reader

洋書をメインに読書レビュー, 英語学習 and 雑記

2021年1月に読んだ洋書

2021年1月に読了した本のご紹介です。

 

 

今月は読み終わってはチョコチョコあらすじと感想を書き溜めてました。

1月に読んだ本を1月中にUpできる幸せ…。

いつも読みたい本を気分に合わせて選んでいるのですが、今月はいろんなことを本から学ばせてもらった1か月でした。学ぼうと思って読んでないのに、読み終わったら学んでいる感じです。これだから読書は止められないなぁ。

誘惑に負けてAudiobook欲しさにScribd再開しました。来月も引き続き紙本メインで読み進める予定です。

 

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Oppressed and Empowered: The Viscount's Capable Wife (Love's Second Chance Series: Damsels and Knights, #5)
★3

時は19世紀、女性が職を持つことは許されていない時代。結婚はせず医師として身を立てるつもりだったEvelynは、ある日親同士が決めた許婚の存在を知る。その相手はコミュニケーションに難があり、冷徹なことで有名なViscountだった。

 

19世紀にAutismのヒーローがいたら?という設定に果敢に挑んだHistorical Romance。奔放で天真爛漫なヒーローの妹や、性差別にfrustratedするヒロイン、後半はMysteryなど、少し情報を盛り込み過ぎな印象がありました。もう少しヒーロー&ヒロインのやりとりや感情の動きでfallingしていく様子をたくさん楽しませてほしかったな~。本作はシリーズ5作目で、一つの長いストーリーが数冊の本に分かれているとして読めば、ボリュームの多さは気にならないのかもしれません。

 
Bad Girls
★5

10歳のMandyは、毎日学校でいじめられている。孤独で寂しい日々を過ごしていたが、隣家に住むことになった14歳の孤児、Tanyaと知り合う。Mandyは派手な外見と大胆な性格を持つTanyaに、新しい刺激を受けて夢中になるが、Tanyaには悪い癖があって…。


言葉で表現するのが難しいのだけど、ものすごく胸がザワザワする本でした。松谷みよ子の『ちいさいモモちゃん』に匹敵するザワザワ。個人的にいじめた経験、いじめられた経験、どちらもあるので、学校が自分の全てだったローティーンのころにタイムスリップして読んでいました。

Bad Girlsというタイトルも深いです。Mandyをいじめる女の子たち、悪癖で騒ぎを起こすTanyaとMandy、はたまたTeenagerを見た目や出自だけでBad Girlsと判断しがちな大人たちこそがBad Girlsなのかも…。親としても学びがありました。


The Sun Is Also a Star
★4

Natashaは父のDUIをきっかけに不法滞在が明らかになり、明日JamaicaにDeportationされることになった。NatashaはU.S.に住み続けるために移民弁護士にアポをとり奔走するが、その期限は今日中。絶望を感じていたNatashaは偶然Korean2世のDanielと出会う。そのDanielも移民ならではの悩みを抱えていた。

 

細かい章割りで1人称が頻繁に変わる小説。NatashaとDanielがメインだが、思いがけない人たちも自分語りをする。現代設定、登場人物少な目で #さく読め 認定です。たった1日で二人が惹かれていくのですが、そこに移民としての複雑な思い、人種差別、などが絡み、ただのYAロマンスで終わっていないのが良かったです。
Epilogueに思いがけない人が登場する終わり方も好きです。

The House on the Water
★4

ヒロインCarolineの息子が、ドラッグ密売で検挙された。Carolineは更生施設にいる息子のことで、日々頭がいっぱいだ。元々拗れていた夫との関係も悪くなる一方。Carolineは少しでも前向きな気持ちになれればと、親友やその兄弟たちとコテージを借りて数日過ごすことにするが、思いがけない事件が起こる。

 

Buried Deepが良かったMargot Huntの12月に出た新作thriller をAudible 聴き放題で。3時間足らずのNovellaなのに女性の嫉妬とかドロドロした感情がすごくよく伝わってくる内容で、この作家好きです。読後感は良く無いけど、この作家だからこのオチだよねという納得感。
ナレーターも素晴らしい。世の中怖いものはたくさんあるけど、一番怖いのは人間だよね。

  • 短い
  • 謎解きがシンプル
  • 現代設定
  • 登場人物少ない
  • ページターナー
  • 聴きやすいアメリカ英語

と条件が揃ってるので、Audiobook初挑戦する人におススメ。

 

If tomorrow comes
★3

銀行員Tracyは、愛するの恋人の子を妊娠して結婚することになり幸せの絶頂を迎えていたが、警察からの悲報を受けて実家の町へに旅立つ。事実を知り怒りに震えたTracyは復讐を誓う。

 

いつかは読もうと思ってたシドニーシェルダンを読みました。上記の通り、あらすじがザックリとしか書けないページターナーで、超のつく #さく読め です。序盤のTracyがあまりに短絡的でおいおいと突っ込みながら読みました。
ストーリーはスピード感があって面白いのだけど、それぞれの心情とか迷いとかambivalentな感情とかを、もう少し深く描いて欲しいと考えてしまいました。

洋書の児童書をたくさん読んでいた2019年春ごろに読めば良かったです。洋書読み始めて間もない方にお薦めです。

 

Kim Jiyoung, Born 1982
★4

ヒロイン、キム・ジヨンは専業主婦。特別際立った存在でもなく平凡な人生を送ってきた典型的な韓国人女性だが、出産して1年経ったある日、奇異な言動をとり始める...。

 

現代韓国に生きる女性がしばしば出くわす理不尽なできごと、違和感、また違和感以前の居心地の悪さを描いた作品。
随所に統計データがエビデンスとして差し挟まれるので、小説なのにノンフィクションを読んでいる気分になる。自分とは「違う」存在を、わからないことをわからないままで片付けず、まずは知ることから始まるのだと、改めて気付かされました。

また、韓国の小説を英訳で読んだのは初めてだったのですが、この本はとても読みやすかったです。

 

The Husband's Secret
★5

Ceciliaは仕事で成功し、愛する夫、3人の子供と理想的な家庭を築いている。ある日、昔の思い出の品を屋根裏部屋で探していたところ、夫が書いた手紙を見つける。その手紙には「自分の死後に開封して欲しい」とあった。夫はまだ亡くなっていないのだが、夫の秘密の手紙を前にCeciliaは開封すべきかどうか迷う…。

 

Ceciliaと、夫が親友と浮気したので実家に子連れで戻ってきたTess、25年前に長女を何者かに殺されたRachelの3人の女性を軸として展開される物語。女性ならではの日々抱えるストレス、ドロドロした嫉妬が、リアルに描いてあって最後まで楽しめました。
重たい命題を読者に突きつけて、どうなるのどうなるのとあっという間にエンディングまで持って行かれるページ・ターナーです。全編Audibleで聴きましたが、最初が少しわかりづらくAmazon.comの書籍販売ページの1~2章のExcerptが理解に役立ちました。


Ask Again, Yes
★4

Gillamに住む警官Fransis Gleeson一家の隣に、Brian Stanhope一家が引っ越してきた。FransisとBrianは警官として仕事仲間だった間柄。知り合いがいない街で寂しく暮らすFransisの妻Lenaは、Brianの妻Anneと交流を深めようとするが、AnneはLenaを冷たく突っぱねる。その一件からStanhope家とは距離を置くことにしたGleeson夫婦だが、15年後に両家の子供をきっかけにある事件が起こり、運命の歯車が回り始める。

 

キャラクターへの思い入れが強くなり、あらすじすべてに固有名詞を書きたくなる一冊。何年共に暮らしても家族とは難しいもので、血がつながっていても自分とは全く別の人間という当たり前のことをビリビリ感じさせてくれました。世代を超えて数十年に渡る物語で、キャラクターそれぞれが抱えるBurdenが非常に重く、Fictionなのに意外とこういう物語は身近にあるものなのかもしれないと、背筋が寒くなりました。時間が解決するという言葉ではあまりに軽いけれど、読後感は爽やか。
目だけで読むとどうも集中力が途切れる本だったので、Scribdで音声追加して読みました。

 

It Ends With Us
★4

ヒロインLilyは偶然出会った医師RyleにOne Night Standに誘われる。その場は相手にしなかったLilyだが、偶然Ryleと再会して情熱的な恋に落ちる。マーケティングスキルを活かしてビジネスを成功させたLilyとハンサムな神経外科医のRyleは、誰もが羨む理想的なカップルだったが、二人はそれぞれ子どもの頃に負った大きな傷を心に抱えていた。

 

DVをテーマに据えて、時に誰もが正しいと思えることを選べない人間の弱さ、それを乗り越える強さを描いています。タイトルの「It」が意味が重く、強く感情を揺さぶる引力のある本でした。ラスト数章のヒロインがたくましく美しい。

翻訳が出版されましたが、こういう本こそコミックで出版されると良いなと思います。登場人物が少なく #さく読め なので、児童書を卒業したい人にもお薦めします。こちらもScribdのAudiobookも利用して読みました。


Helping Children Succeed
★3

子どもたちが大人になっても健やかに人生に送るためには、単純な学力ではなく非認知能力が重要ということが近年の研究で明らかになってきた。子どもたちはそれらの能力をどのように身に着けるのだろうか。子供たちへの働きかけを5W1Hエビデンスをもとに解説する。

 

珍しく小説では無い本を読んでみました。内容に惹かれたのではなく、本編114ページと薄い、表紙デザインが可愛い、AudioBookのナレーターの声が好みだったからです。ナレーターは著者が務めていてBroadCasterとしても活動していると知って納得の聴きやすさです。
incentiveは能力や学力UPに結びつく?motivationを満たすためには何が必要?子どものためだけではなく大人にも役立つ内容でした。
ちなみに、2016年に出版された本ですが、最近コロナ禍でまた注目されたようで、図書館で翻訳版の予約状況を確認したら予約が多く入ってました。

比較的読み易く、小説以外で何か読んでみたい人にも良いと思います。コロナ禍で脚光を浴びているといえば、以下Factfulnessもお薦めします。意外と読み易かったです。

 

 

You
★3a

書店員として働くJoeは、ある日作家を目指す大学生Beckにひとめ惚れ。彼女のクレジットカードのフルネームを手掛かりにネットやSNSからBeckに関するあらゆる情報を入手しはじめる。そしてBeckを手に入れたいと願うあまり、JoeはBeckをストーキングし始める。

 

Netflixで映像化+Thrillerらしいキャッチーな表紙で気軽に読み始めたのですが、いやー最初から最後まで狂った本でした。ストーカーが自分の行動にサクッと理由付けして、どんどん異常行為をこなしていく様子が語られて、まるでJoeの心の中に住んでいるような気分になります。

最初はAudiobookも投入して聴いていたのですが、Joeの口が悪すぎて具合が悪くなりそうだったので、途中からは目だけで読みました。具合が悪くなりながらもDNFする気には全くならず、あー狂ってると思いながら毎日本を開くのを止められない。万人には薦められないけど、変わった本が読みたい人には良いかもしれません。シリーズ化されていて、2作目以降も出版されているのでJoeのファンも多そうです。

 

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2月分も2月28日までに更新できるかどうか、お楽しみに!