【洋書】Sweet Bean Paste -原題『あん』
Sweet Bean Paste by Durian Sukegawa
- 作者:Sukegawa, Durian
- 発売日: 2017/11/14
- メディア: ペーパーバック
総合★★★★
読み易さ★★★★★
あらすじ
主人公のSentaroは、雇われ店長としてどら焼き店を営んでいる。 天涯孤独で、仕事にやり甲斐もなく、仕事終わりに一杯ひっかけることだけを楽しみに生きている。 そんなある日、高齢の女性Tokueが自分を雇って欲しいと店頭に現れる。 にべもなく断るSentaroだったが、Tokueが自分で作ったというSweet Bean Pasteのクオリティの高さに驚き、半信半疑でTokueを採用することにする...。
感想
人は何のために生を受けるのか。多感な時期に、誰もが一度は考えたことがあるのでは無いでしょうか。 救いを求めて古典の哲学書に手を伸ばすのも良いですが、そんな悩める若者に手にとってほしい一冊です。 序盤を読んだだけで、スッと物語の世界に入っていくような感覚を覚えました。原著の魅力もさることながら、翻訳も優れているのだと思います。教科書に載っていそうな読みやすさで、読書感想文の課題図書になったのも納得です。
本作は読み進めるうちに、とっつきやすい冒頭からは全く想像もつかない重いテーマへ展開していきます。 肉親や親友、尊敬する人が自分の人生に大きな意味を与えてくれるのはもちろんですが、意外と見知らぬ人との偶然の出会いが自分の人生を大きく変えるのかもしれません。 これからも、新しい人との出会いを楽しみ、人の意見を尊重する姿勢を大切にしたいと思いました。
それにしても...。気が向くままに読みたい本を手に取っていますが、最近はどの本からも「過去の歴史からもっと学びなさい」と言われているようです。 何かの暗示かもしれません。
こちらもお薦め
The Housekeeper and The Professor - 原題『博士の愛した数式』
The Housekeeper and the Professor
- 作者:Ogawa, Yoko
- 発売日: 2010/04/01
- メディア: ペーパーバック
偶然の出会いが自分の人生に大きな意味を持つ、桜の季節に読みたい本、という共通点でこの本が浮かびました。
The Restaurant of Love Regained - 原題『食堂かたつむり』
- 作者:Ogawa, Ito
- 発売日: 2012/04/01
- メディア: ペーパーバック
本作の魅力の1つは、湯気の立つ美味しそうなどら焼きの描写です。 読みながら、美味しいものをお腹いっぱい味わいたくなる本といえば、この本ではないでしょうか。
心に残った本は引き続き1冊ごとに感想を記していきたいと思います。