文法解説書なのに面白い!『ヘミングウェイで学ぶ英文法』
『ヘミングウェイで学ぶ英文法』という本をご存じでしょうか? ひとことで言うと、ヘミングウェイの短編を題材にして、英文法の解説やストーリーの解釈を講義形式で解説した本です。 英語界隈のTwitter Timelineでは、ときどき誰かが話題にしていて目にする1冊で、おととしに自分へのプレゼントとして購入していました。
実は、以前途中で読むのをSTOPしています。
最初は面白かったんですが、途中で止まっちゃいました。あまりヘミングウェイが好きになれず…💦買う前は楽しそうと思ってかったんですけどねー
— Rita (@rita_150201) April 17, 2020
感想楽しみにしてます
最近改めて読んでみたら、楽しく面白く読めたのでご紹介します。 なぜ今このタイミングで読んだら楽しめたのかも含めて、この本の良さを伝えたいと思います。
ヘミングウェイで学ぶ英文法の魅力
作品解説が素晴らしい
計6作品それぞれの最後に研究者である著者や他専門家のその作品に対しての解説があるのですが、それぞれ非常に興味深い内容で、うーーんと唸ってしまうほど。 自分が英語を座学として学んだのが高校生までで、こういう文学研究にふれてこなかったので新鮮に感じるのかもしれません。
何より、これはあくまでこの著者が考える解釈の一つであって、もしかしたら他の解釈もあり得るのかもしれない。宇宙のようにまだ未開の部分があるのかもしれない、と考えると、すごくワクワクします。あぁ~本を読むって本当に楽しいな!と感じました。
英文法の説明が純粋に楽しい
物語をきっかけとして展開される英文法の説明は、学校で学んだ時よりも、頭の中にストンと落ちて理解ができる気がしました。文法に血が通ったイメージです。ドクドクと脈を打って生きているものに感じられます。よく読むと結構日本語で難しい文法名がついてるものもあって、普段なら勉強感がでて嫌気がさすのですが、へぇぇと全く気にならず読めました。
資格学習や文法書で学んだ側面とは、違う側面から裏付けされているイメージで、復習になったPartもありました。 あと、単純に英語の歴史的な経緯や知らなかった文法もあったので新しい知識も得ることができました。
ヘミングウェイの筆力
6作品読んで感じたのは、平易な語彙と文法、そのうえ短編なのに、こんなに深みやバッファを読者に与えて物語を展開しているのかということに驚きました。行間を読むという表現がありますが、ヘミングウェイの作品は行間どころか単語間を読むつもりで楽しむのが良いのかもしれません。
こんなに短い文章で、数え切れないほどの読み手を虜にしてきたヘミングウェイの作品。自分がこれまで洋書を442冊読んできたからこそ、「長く愛されている本」には理由があるのだということを改めて感じました。
こんな人におススメ
・ヘミングウェイが好きな人
手放しでお薦め。英語学習してない人でも好きなら読んで欲しい。自分の解釈との違いを楽しんでください。
・一通りの文法を学んでいる人
文法解説書として読むなら、全く英語学習をしたことが無い人には厳しいかもしれません。最低でも中学英文法を知っている人が良いと思います。
・今やっている英語学習に飽きてきた人
英語学習ってスポーツのトレーニングみたいなものなので、1つのことをずっとやり続けてると飽きが来ることもあると思います。資格試験のための勉強しんどい、英会話いつまでたってもしゃべれない、同じ語彙10回調べても覚えられない、など、いろいろ飽きが来たり、投げ出したくなっている人は、この本を清涼剤として投入してみてください。
次はこれを読んでみたい
・ヘミングウェイ原書
翻訳で学生時代に読んでいるThe Old Man and The Sea (老人と海)、原書で読みたいです。
・シリーズ
このシリーズは好評のようなので、他の本も読んでみたい。個人的にはO・ヘンリーが一番気になります。作品にがっつりオチが入り、解釈が入りようの無い感じがしますが…?
・越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文 決定版
英文解釈でふと思いついたのが前にKindleサンプルで読んだこの本でした。クイズ感覚で読んでみたいです。
今後も、お薦めの本があればPostしていこうと思います。